C-HRはヴェゼルのパクリという意見、それは違うという意見をよく見かけます。
C-HRがヴェゼルのパクリというのは少し違って、日産ジュークからの流れに乗ったモデルです。
商売なのですから、先駆者のいいところを研究し、独自のものを上乗せして発売するのが定石。
トヨタの強みはハイブリッド技術。
先駆者に勝つために打ち出したのが思い切ったデザイン性だったと言えます。
この世にパクリではないものなんてほとんどありません。
それと同時に全く同じものも存在しない。
ここではC-HRとヴェゼルの似ている所とそうでないところを比較していきます。
C-HR(chr)とヴェゼルの価格を比較
グレードごとの価格を比べます。
どちらのモデルもグレードの分け方はシンプルでわかりやすいですね。
今のところC-HRの方がモデルの種類が豊富です。
ヴェゼル価格(8%税込み) | |
---|---|
HYBRID | 2,460,000円 |
HYBRID X | 2,539,000円 |
HYBRID X | 2,710,000円 |
HYBRID RS | 2,810,000円 |
G | 2,075,000円 |
X | 2,165,000円 |
RS | 2,475,000円 |
C-HR価格(8%税込み) | |
---|---|
G“Mode-Nero” | 2,979,200円 |
G-T“Mode-Nero” | 2,655,200円 |
G“Mode-Bruno” | 2,979,200円 |
G-T“Mode-Bruno” | 2,655,200円 |
G | 2,929,200円 |
G-T | 2,605,200円 |
S“LED Package” | 2,670,000円 |
S-T“LED Package” | 2,346,000円 |
S | 2,614,000円 |
S-T | 2,290,000円 |
C-HRは全体的にヴェゼルより価格が高いですね。
ベースグレード同士を比較しても装備に大差を感じません。
強いて言うならホイールの大きさでしょうか。
C-HRは17インチと18インチを採用しています。
ヴェゼルはHYBRID Zで17インチを、RS系で18インチを装備。
ベースグレードとHYBRID Xは16インチです。
C-HRはボディ成形や、プラットフォーム(TNGA)の安定性にコストを掛けています。
購入時の経済性を重視するならヴェゼルが優れていることになりますね。
しかしハイブリッド車を長く乗ると考えると、いずれC-HRでも採算がとれるでしょう。
それは次に燃費の話で。
C-HR(chr)とヴェゼルの燃費を比較
引用元:https://www.honda.co.jp/VEZEL/
まずは両者のカタログ燃費を比較です。
JC08モード燃費(km/L) | |
---|---|
HYBRID | 27.0 |
HYBRID X | 26.0 |
HYBRID X | 23.4 |
HYBRID RS | 25.6 |
G | 21.2 |
X | 21.2 |
RS | 20.2 |
JC08モード燃費(km/L) | |
---|---|
G“Mode-Nero” | 30.2 |
G-T“Mode-Nero” | 16.4 |
G“Mode-Bruno” | 30.2 |
G-T“Mode-Bruno” | 16.4 |
G | 30.2 |
G-T | 16.4 |
S“LED Package” | 30.2 |
S-T“LED Package” | 16.4 |
S | 30.2 |
S-T | 16.4 |
ハイブリッド車の燃費はC-HRが圧倒的に良く、ガソリン車はヴェゼルがいいです。
実際、C-HRの販売台数はハイブリッドがほとんどを占めていると聞きます。
やはり見た目と燃費は最重要項目ですね。
ヴェゼルはハイブリッドもガソリンも、カタログ上は大差がありません。
しかし実燃費はどうなのでしょうか。
引用元:https://minkara.carview.co.jp/car/honda/vezel_hybrid/nenpi/
ヴェゼルハイブリッドは18km/Lほど。
引用元:https://minkara.carview.co.jp/car/toyota/c-hr_hybrid/nenpi/
C-HRハイブリッドは20km/Lほどのようです。
実際私もそのくらいです。
個人的には寒い冬の早朝の走行をしなければさらに低燃費の運用が期待できます。
ハイブリッド車はC-HRの実燃費の方が明かに優れています。
引用元:https://minkara.carview.co.jp/car/toyota/c-hr/nenpi/
C-HRのガソリン車は平均実燃費が12km/L。
引用元:https://minkara.carview.co.jp/car/honda/vezel/nenpi/
ヴェゼルは14km/Lほど。
カタログ通り、ヴェゼルの方がちょっといいかんじですね。
ターボモデルが存在するC-HRはガソリン車を選ぶメリットも多少ありますが、ヴェゼルでガソリンモデルを選ぶメリットはほとんどないでしょう。
むしろヴェゼルはモーター+エンジンで加速性も優秀なハイブリッド一択となります。
C-HR(chr)とヴェゼルの諸元を比較
グレード全てを比較するのは非効率なので、両者ともハイブリッドに絞って比較します。
どちらもガソリン車よりもハイブリッドの方が需要がありますからね。
C-HR S(ハイブリッド2WD) | ヴェゼル HYBRID HONDA SENSING(FF) | |
---|---|---|
全長 | 4.360m | 4.330m |
全幅 | 1.795m | 1.770m |
全高 | 1.550m | 1.605m |
室内長 | 1.800m | 1.930m |
室内幅 | 1.455m | 1.485m |
室内高 | 1.210m | 1.265m |
車両重量 | 1,440kg | 1,270kg |
最小回転半径 | 5.2m | 5.3m |
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | 142[14.5]/3,600 | 160[16.3/0-1,313 |
サイズですが、外回りはC-HRが一回り大きいですね、高さ以外。
しかし室内はヴェゼルが一回り大きい。
全高、室内高はちょうどC-HRが50mm低く、比率が一致しますが、なぜか外回りが大きいはずのC-HRの方が内装はせまい。
乗ってみればわかりますが、C-HRはボンネット部分が広いんです。
そしてボディが分厚い。
特に後部は分厚くて、それが後席の閉塞感を生むきっかけにもなっています。
ガッチリ守られている感じがしていい!という人もいるんですけどね。
そしてヴェゼルより170kgも重い!
その重さはプラットフォームの性能と相まって安定感と静粛性をもたらしてくれますが、加速性を圧迫しています。
トルクがヴェゼルより太いガソリン車でさえ、加速性はハイブリッドとあまり変わらず、ヴェゼルに負けています。
そして以外なのが最小回転半径です。
ヴェゼルより大きいC-HRの方がわずかに小回りで勝っています。
諸元を比較すると、C-HRが抱えている弱点がまるわかりで面白い部分ではありますね。
C-HR(chr)とヴェゼルの似ているところ違うところ
価格、燃費性能は各社の技術的な側面が強いので割愛します。
違うところ
- デザイン(外見はもちろん内装も)
- カラーバリエーション
- ターボモデルの有無
- 特別仕様車戦法
似ているところ
- 2ドアクーペスタイル
- ガソリン車の存在意味が希薄
ヴェゼルの特徴
- 燃費、インテリア、エクステリア、積載性、加速性どれをとっても優等生
- その分尖ったところがない
- ガソリン車の存在意味が価格くらいしかない
C-HRの特徴
- エクステリア、インテリアの見た目に力を注いでいる
- 積載性は犠牲に
- SUVの名を冠したプリウス(エコカー)
SUVの定義はあいまいですから、普通車と同等の加速性であるC-HRも名乗ればSUVです。
スポーツ・ユーティリティ・ビークルという名がふさわしいのはヴェゼルでしょうね。
2ドアクーペスタイルはN-BOXスラッシュの存在もあって、若干ホンダにイニシアチブがありますね。
パクリと言うならばホンダもトヨタも日産のパクリということになりますが…。
引用元:https://toyota.jp/c-hr/exterior/?padid=ag341_from_chr_navi_exterior
色ですが、C-HRは2トーンの設定があるのに対し、ヴェゼルはモノトーンのみです。
C-HRはさらに特別仕様車も多く発売しています。
一見C-HRの方が選択の幅が広く感じます。
しかし先に発売されたヴェゼルはカラーバリエーションや特別仕様車を展開する必要性がなかったとも考えられるのです。
安定して売れているヴェゼルと話題性の爆発で売り上げ1位を獲得したC-HR。
今後、切り札を多く残しているヴェゼルが追い上げる可能性は十分あります。
世間的には「ヴェゼルの方が優秀だ!」という声、「ヴェゼルがC-HRに勝つにはどうすればいいのか?」という声、いろいろありますが、まさにその通りで…。
実はどこを重視するかで優劣が二転三転するのがC-HRとヴェゼルの比較と言えるでしょう。
とにかく最優先される「見た目」と「燃費」ならC-HRハイブリッドが圧倒的に優秀。
しかし「加速性」と「価格」を評価に加えるとヴェゼルに勝機が出てきます。
問題は多くのドライバーが重視するのが「見た目」と「燃費」ということ。
車はもともと高額な買い物なので、「どうせなら後悔しない買い物を!」という理由で以外と価格の占めるウェイトは低いのです。
もし車において価格のウェイトが重かった場合、本体価格300万以上の車なんて売れるわけないし、作らないでしょうから…。
乗り心地はどちらもいいので、選ぶ基準はヴェゼルの「価格と加速性」かC-HRの「見た目と燃費」に集約されてくるでしょうね。